6月12日(日):礼拝メッセージ

6月12日  礼拝メモ       (T・O)
 申命記32章      (説教) 朝比奈悦也師

「指導者モーセの遺言」

 

 モーセがイスラエルの民に遺言として語った言葉、特に46節から、イスラエルの民達の今後の生活のために最も大切なことは何なのかを三つの点から学ぶ。

 

一、継承
 モーセはこの46節で「あなたがたは…あなたがたの子どもたちに」と語り、イスラエルがこれからの新しい時代を築く上で絶対に忘れてはならないことを子ども達にしっかりと継承するよう命じている。もし継承ができなければ、民族として国家としてこれまで積み上げてきた尊い大切なものが無駄になり、将来に希望が持てなくなってしまうからである。

 

二、信仰の継承
 人類の歴史は継承の歴史でもある。人は様々なものを発明し、発見し、業績を積み上げて生活改善に役立ててきた。時代は進歩し、私たちはそれらの恩恵に浴すことができている。そして今私たちには後生に継承すべきものが多々ある。家業、家宝、伝統、財産等々。しかしモーセが語る継承すべきものとはそれらの類ではない。「あなたがたを戒めるすべてのことばを心に納めなさい。それをあなたがたの子どもたちに命じて、このみおしえのすべてのことばを守り行わせなさい。」継承すべきは信仰だと語る。

 

三、いのちに至る信仰の継承
 信仰を継承すべき理由は47節に述べられている。信仰の継承こそがいのちに至る道であるからだと。イスラエルの民はこの後、約束の地に入り、その地に住む人々と戦い、勝利を収め、国を築いていかなければならなかった。そこでは数々の戦い、困難、 課題が山積していることをモーセは理解しており、 それらを乗り越えていく上で彼らが最も必要とするのは心の支えであり、信仰こそが彼らの心を支え、いのちに至らせる道であることを知っていた。信仰によって困難に耐え、信仰によって戦いに打ち勝ち、信仰によって国を建設し、信仰によって神が彼らに約束された永遠の御国にまで至らしめるものだから。

 

 私たちの人生において起こり来たる様々な問題課題の中で、真に私たちを支え、導き、切り開き、永遠のいのちに至らせる最重要事は信仰以外にはない。すべての人にとって必要なものは信仰であり、信仰の継承であることを学び取らせていただきたい。本日の召天者記念礼拝で先達となられた方々の信仰を学び、信仰に進み、次の世代にこの信仰をきちんとバトンタッチできるよう、主の御前に真摯に出させていただきたい。